2021年度のFIT価格が公表されました

経済産業省では今年1月に開催された調達価格等算定委員会で出された2021年度の再生可能エネルギーの固定価格買取価格(案)を公表しました。

2021年度太陽光発電の買取価格は、10KW未満については19円/kWhとなり2020年度より2円引き下げ、10kW以上50kW未満の低圧事業用について、2021年度12円/kWh、50kW以上250kW未満の高圧案件は2021年度11円/kWh、2020年度から1円ずつ引き下げになります。

2022年度の案についても公表され、10KW未満は17円/kWh、10~50kW未満は11円/kWh、50~250kW未満の高圧案件は10円/kWhと示されました。

(図表)

一方で250kW以上の高圧・特別高圧案件については2020年度同様入札制度により決定されますが、変わったのは今まで非公開だった入札上限価格を事前に公表する方式になり年度内に4回実施される予定です。

2020年度の上限価格は第6回が12円/kWh、第7回が11.5円/kWhでしたが、事前公表によって2021年度の1回目にあたる第8回は11円/kWh、第9回は10.75円/kWh、第10回は10.50円/kWh、第11回は10.25円/kWhとなります。

(図表)

廃棄費用についての方針も示されています。
2021年度、2022年度の認定分ともに買取期間終了前の10年間に積み立てる廃棄費用は2021年度、2022年度の認定分ともに10kW以上50kW未満は1.33円/kWh、50kW以上は0.66円/kWとの方針が示されました。

また、2022年度からはそれまでのFIT(フィード・イン・タリフ)方式からFIP(フィード・イン・プレミアム)制度が導入されます。
このFIP制度については制度設計にかなりの時間をかけ、満を持してスタートする形になりますが、まだ全体像がよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。

簡単に説明すると再エネ発電事業者が卸電力市場や相対取引で市場に売電する場合、基準価格(FIP価格)と市場価格の差額を「プレミアム」として上乗せすることになります。
ただし、全面的にFIPに移行するのは出力1MW以上の発電設備とすることが正式に発表されました。
50~1MW未満の規模についてはFITとFIPを選択できます。そしてFITを選択する場合は250~1MW未満は入札制度、それ以外は10円/kWhが適用され、FIPを選択した場合はすべて10円/kWhが適用されることになります。
複雑ですね。経産省の図表を参考にしてください。

(図表)

なお、「地域活用要件を満たす10~50KW未満の低圧事業用」と「10KW未満の住宅用太陽光」は引き続きFIT制度での買取になります。