JPEA、経済産業省、太陽光関連事業者団体 情報交換会のご報告

去る5月28日に太陽光発電協会(JPEA)主催で、経産省電力安全課、同資源エネルギー庁新エネ課、JPEAと太陽光発電メンテナンス関連事業者団体との情報交換会が開催されました。
会のテーマは『スマート保安の動向と小規模太陽光発電の共創』。
この中で①将来的に発電設備に対してスマート保安を導入する方向で検討が進んでいること②4月から施行された小出力発電設備に対する ”事故報告の義務化” の現状報告③不適切案件の情報提供に伴う取り組み④新たな分割案件として以前にもJPMAニュース 2021年 Vol.6でお伝えした10kW未満太陽光発電設備の分割審査について(バックナンバー配信ご希望の方はinfo@j-pmaまで「Vol.6配信希望」と明記しメールをお送りください)。そして、④現在導入検討中の小出力発電設備に対するチェックシートに関して意見聴取、と大変盛りだくさんな内容でした。

私たち太陽光発電メンテナンス技士にとってはどれも無視できないことばかりなのですが、中でも④のチェックシートは、低圧太陽光発電設備が災害時に倒壊などの危険がある設備が非常に多いことから土木・基礎や架台の構造強度に重点を置いたもので、まず4つのフェーズを設定し、それぞれ<フェーズ1>=JIS C 8955(2004年版)にすら適応できていない設備、<フェーズ2>=同2011年版に適応できていない設備、<フェーズ3>=同2017年版に適応できていない設備、<フェーズ4>=基準に達している設備、に分類するためにチェックシートを用いてフェーズ1に該当する設備をスクリーニングしていこうとするものです。
ただ、やみくもにフェーズ1の設備をあぶりだすことが目的なのではなく、フェーズ1の設備をクラスアップして正しい発電設備にしようとする取り組みです。いわばPV版の車検制度のような考え方です。

推定ではフェーズ1に分類される恐れのある設備は今や低圧設備全体の30%、4.9GWもあると見られており、このままでは長期主力電源としての役割が果たせなくなる可能性があります。
そうした設備をただ〇×で判定し認定取り消しをするのではなく、是正勧告を行なってフェーズ2、3、4に引き上げていくために導入が検討されているものです。

しかし、一方でこの調査に要する人材の確保が大きなハードルと見られており、今回の意見聴取では業界で最多の資格者数を持つJPMAが真っ先にチェックシートの妥当性と人材について意見を聴かれました。
私たち協会としては、正しく運営されている太陽光発電設備が増えていくお手伝いができれば業界の発展に繋がるものと考えますし、お役に立ちたいと考えています。